英語が話せるようになると、何だか生きている世界が一変してしまうのではないかと思っていませんか。
確かに、英語ができるようになるだけで有利に働く場面はあるでしょう。ただ、その努力に見合った成果を、英語を勉強することで得られるかは別問題です。
おそらく、英語を勉強し始めた人が100人いたら、80人くらいは途中で勉強を放り投げてしまうくらい大変だからです。
このページでは、英語を本格的に勉強する人に覚えておいてほしい3つの真実を解説します。
地道で大変な道だと分かった上で、それでも英語を勉強するかどうかぜひ考えてみてください。
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英語が話せるから優遇されるわけではない
元も子もない話ですが、英語が話せるからと言って特別優遇されるわけではありません。
もしあなたが生まれていた時代が「明治時代」であれば、日本国内に英語で話せる人材がかなり限られていたため、間違いなく英雄になっていたでしょう。
しかし、現代では英語が話せるのは「比較的当たり前」になっている風潮があります。
つまり、英語が話せる人があまりにも多いため給料を上げたり、どうしても会社が手放したくない人材になることはないのです。
そのため、英語が話せるようになると特別扱いされるようなことはないことをおさえておきましょう。
真実1:英語の勉強は辛い
これも最初に伝えておかなければいけません。趣味で学習する英語と、実際に使えるようにする英語は全然違います。
趣味で英語を学習する場合、洋楽の音楽を聞いたり、洋画を見ることなどが挙げられます。
また、旅行で使う初歩的な英会話であれば暗記量も少ないため、50時間ほどで身につくでしょう。
では、本格的に仕事やコミュニケーションツールとして英語を使う場合はどうかというと、覚えることだらけです。
- 単語と熟語
- 文法
まず英語の基礎力を身につけるため、上記の2点が身についていないと、文を組み立てることができません。
- 宗教や政治的価値観
- スラングや流行語
- 時代とともに登場した言葉
さらに、自分から積極的に情報を取りに行く姿勢が必要になるのです。宗教や政治的価値観については日本の感覚では理解されない場面もあるため、常識に囚われないことも大切になります。
たとえば、日本語で次のようなコメントをイスラム教の外国人に話したとします。
I bought pork belly at the supermarket! I will cook pork curry for dinner.
(今日スーパーで豚バラ肉を買ったんだ!夕飯にポークカレーを作る予定)
英文そのものについては全く問題がありません。ただ、イスラム教の人は豚肉を食べることが禁止されているため、豚肉の味について語っても良い反応はされません。
このように、英語を学習する上で英語ができるだけでは不十分で、コミュニケーションを取る上ではそれ以外の情報も知る必要があるのです。
真実2:英語ができるだけで人生は成功しない
残念ながらこれが真実なんです。仮に注目される場所があるとすれば、学校の英語のテストくらいでしょう。
「日本語が楽しい」なんて言ってる日本人はいない!
そもそもですが、英語を日本語に置き換えてみて下さい。
「日本語ができて、人生がバラ色になりました!」
こんなこと言っている人見たことありますか?すくなくとも、僕はこのような人に一度も会ったことがありません。
語学というのは、あくまで「手段」であって、学習することそのものが「目的」ではないんです。
手段と目的を履き違えてしまうと、成果が全然出ないのに勉強し続けなければいけないので苦しい思いをしてしまいます。
日本語ができることで楽しいと思える瞬間があるとすれば、自分が相手にしてほしいことをうまく伝えられたときです。
- 日本語 × 好きな気持ち = 告白で自分の思いを伝える
- 日本語 × 仕事の内容 = 政治や経済の仕組みを知り、自分や社会の利益になる情報を伝達したり受け取ったりする
このように、あくまで「何か」をするときの手段として言語が必要になるのです。
英語を勉強することを目的にしないように、注意して下さい!
英語の勉強は楽しいわけではない
英語が話せるようになると楽しいわけではありません。
「楽しく英会話を学ぼう!」
と言っている広告宣伝をしている会社もありますが、言語は誰でも簡単に、楽しく学べるようなものではありません。
自分が今まで知らなかったことを学習するというのは思った以上に大変です。
特に、年を重ねれば重ねるほど新しいことを学習する意欲が低下していくことは様々な研究からも明らかになっています。
1ヶ月英語の音声を聞いているだけでペラペラ話せるようになるものではないことはあらかじめ知っておいてください。
また、学習する過程では思ったとおりにならないことも多いため、苦しい思いをすることもあるでしょう。
ただし、英語がある程度自分の思い通りに話せたり、書けたりするようになればそれまでにしてきた努力が報われます!
真実3:英語は日本にいる限りなかなか習得できない
ネイティブは生まれた瞬間から英語に囲まれて生活してきています。生きていくためには、英語を学ばざるを得ない状況にいたのです。
では、私たち日本人はどうかといえば、まずはじめに「日本語」に囲まれて生活することになりますよね。
生きていくためには、最低限日本語を覚えなければいけなかったのです。
ネイティブが英語を死ぬ気で覚えないと、生まれた場所で生きていけないように、日本人も日本に生まれた以上は死ぬ気で日本語を覚えないと生きていけないのです。
言われてみれば当たり前かもしれませんが、この違いをまずは理解しておきましょう。
つまり、語学は死ぬ気で覚えた上にモノになるということです。
マスコミや広告の誇大広告はまったく信用できない
「私、5ヶ国語話せるんです」
など、YouTubeやテレビのバラエティ番組で取り上げられる人って多くいますよね。小さい頃から英才教育を施された成果だともいえますし、家で多言語の会話が繰り広げられていた可能性もあります。
ただ、完全な初心者がマスコミで取り上げられるようなバリバリ外国語が話せる人になれるかと言えば、「努力次第で限りなく近づけるけど、完全な母国語に匹敵するスピーカーにはなれない」といえます。
これは、日本語以外の外国語、つまり英語を身につける上でも同様です。
なぜなら、大人になってから英語で会話しないと生きていけない状況になることはほとんどないからです。
繰り返し言っているように、英語を話さないと生きていけない状況に追い込まれれば勉強せざるを得なくなります。
マスコミや広告では、そのようなごく一部の人を大きく取り上げているだけです。信じ込みすぎないようにしましょう。
ほとんどの人は「小学生レベルの会話」に終わる
一つ残念なお知らせがあるとすれば、あなたがどれだけ頑張ってもネイティブから聞いたら「小学生並みの英会話」で終わってしまう可能性が高いです。
これは、小学生のレベルが低いというわけではなく、日本でも生活に困らない最低限の会話が身につくのは小学生までだからという意味です。
たとえば中学生になると、部活動や会社体験などの「実体験」を通じて状況に即した英語を習得していきますよね。
つまり、英語を話す上での基礎知識を身につけたら自分なりに経験値を稼ぎながらノウハウを蓄積していく必要があるのです。
英語学習を本格的に始めた人の多くが突きつけられる選択肢が、次の2つです。
- 小学生レベルの会話でも話せればOK
- TPOをわきまえた会話ができるようになりたい
もちろん、最初は2つ目の「TPOをわきまえた会話ができるようになりたい」という目標を掲げて勉強し始める人が大半です。
しかし、残念ながら途中で挫折する人が7〜8割いるのが現実です。
まとめ:それでもあなたは英語を勉強しますか?
ここまで厳しいことを言ってきましたが、英語を一生懸命頑張った先に待っているご褒美はとてつもなく大きいです。
海外のホテルやレストランは必ずと言っていいくらい英語に対応しています。
また、実務でも英語のメールや報告書は定型文になっている事が多く、一度でも身につけてしまえば多くの場面で使い回すことができます。
今、この一瞬を一生懸命頑張るだけで10年、20年と他に人にはできないことができるようになるのです。
英語を学ぶ上でこれらのデメリットがあることを理解した上で、それでも自分にとって価値があると感じるのであれば英語の勉強を始めましょう!